

りょうさん、私…自分の強みがまったく分からなくて…



うんうん、それってすごく多い悩みだよ。実は、強みがないんじゃなくて、“見えにくくなってるだけ”の可能性が高いんだよね。



見えにくくなってる…?



そうそう。脳の仕組みや思考のクセで、“あるのに気づけない”状態になってることがよくあるんだ。そこを一緒にほどいていこう!
① 他人と比べすぎて“自分の良さ”が見えない?



SNSとか見てると、すごい人ばかりに感じて…。自分には誇れるような強みなんて全然ない気がして。



その気持ち、めっちゃわかるよ。人ってね、無意識に「他人の強みに自分の価値を当てはめるクセ」があるんだ。



えっ、それって無意識でやってるんですか?



そう。脳は“目立つもの”を優先的に記憶するから、周りのキラキラした才能ばっかり見えて、自分の中の「当たり前で大切な強み」に気づきにくくなっちゃうんだよ。
科学的な解説
私たちは他人の良い部分ばかりが目につき、自分の中の強みが見えにくくなることがあります。
これは「社会的比較理論」という心理学の考え方によるもので、
人は無意識に“自分と他人を比べて評価する”というクセがあります。
さらに脳の「扁桃体(へんとうたい)」という部分は、不安や劣等感を感じたときに強く反応し、
その瞬間に注意を向けるよう指令を出します。
その結果、自分より優れて見える他人ばかりに意識が向いてしまい、自分の強みは見逃しやすくなるのです。
また、RAS(網様体賦活系)という脳のフィルター機能は、
「自分には強みがない」と思っていると、強みの情報をスルーしてしまいます。
つまり、自分の思い込みが“脳の検索結果”に影響しているということです。
「他人の強みを見て、自分に自信をなくす」のではなく、「自分の見方にクセがある」と気づくことが第一歩。
強みが“ない”のではなく、“見つける視点がズレているだけ”なのです。
だから、強みを見つけるためには「他人と比べるモード」から
「自分に意識を向けるモード」へ切り替える必要があるんです。
人は無意識に「他人と自分を比べて」自分の価値を測ろうとするという心理学の考え方。
・SNSで人の投稿を見るたび「すごいな、私には無理だな」と感じる
・褒められても「それって誰でもできることじゃない?」と流してしまう
・他人と比べてばかりで「自分にしかないもの」が分からない
・自分の強みが「ない」のではなく、「気づけてない」だけの可能性が高い
・他人と比べすぎることで、自分の大切な強みが見えにくくなっている
・脳のRASや思考のクセによって、強みの情報をスルーしていることがある
② “普通のこと”こそがあなたの強み?



でも私、本当にすごいことなんて何もできないんです…。むしろみんなと同じくらいのことしか…。



その「みんなと同じ」って、実は思い込みかもよ?たとえば、何気なくやってることでも、他の人から見たら「すごい!」ってことってあるんだ。



えっ…?でも、自分じゃ普通すぎて気づかなくて…。



そうそう、それがまさに“強み”の落とし穴。自分にとって“当たり前すぎること”は、気づきにくい。でもね、他の人には“できないこと”だったりするんだよ。
科学的な解説
人は、自分にとって「努力せずにできること」「自然にできること」に対して、それを“特別”とは感じにくい傾向があります。これは「認知のバイアス」の一種で、自分の能力を客観的に評価するのが苦手だからです。
また、脳には「適応化(順応)」という働きがあり、何度も経験したことや慣れている行動は、どんどん“意識の外”に押し出されていきます。つまり、繰り返しできることほど、“意識しなくなる”というメカニズムがあるのです。
たとえば、人と話すときに相手の表情を自然に気にかけたり、期限を守って行動できたり、雰囲気を和ませる言葉をかけられる人は、それを「特別な能力」とは感じていないことが多い。でも、それを苦手にしている人にとっては、「それ、すごいよ!」という価値になる。
つまり、“自然にできること”ほど強みなのに、自分ではその価値に気づきにくい。そして多くの人が「特別なスキル=目立つ才能」と思い込んでしまって、自分の大事な強みをスルーしてしまっているんです。
強みとは、「他人には難しいけど、自分には自然にできること」。その視点で日常を見直すと、“当たり前”が“宝物”に変わるかもしれません。
自分の考え方にクセがあり、物事を正しく判断できなくなる心理のこと。
・友達が悩んでると、自然に聞き役にまわっている
・誰に言われなくても、時間通りに行動するクセがある
・整理整頓が得意だけど「ただのキレイ好き」と思っている
・自分にとって「当たり前」の行動こそ、他人から見たら立派な強み
・繰り返してできることは、脳が「意識しなくなる」ので気づきにくい
・強みとは「努力しなくてもできること」「他人より自然にできること」
③ “ひとつに決めなきゃ”と思いすぎ?



いろいろ得意なこととか、ちょっとできることはあるんですけど…
でも「これが私の強み!」って言えるものがない気がして…



なるほど、それって「ひとつに絞らなきゃダメ」って思い込みがあるかもね。



えっ、強みってひとつじゃないんですか?



ぜんぜんそんなことないよ!強みって、いくつあってもいいし、組み合わせで生まれる強さもあるんだよ〜。むしろ、絞ろうとしすぎると見えなくなっちゃうこともあるからね。
科学的な解説
多くの人が「強み=唯一無二の目立つ才能」「ひとことで言える明確な能力」と思いがちですが、実はこの“思い込み”が強み探しの視野を狭めています。
心理学では「完璧主義的思考(All or Nothing Thinking)」という言葉があります。これは「0か100か」で物事を見てしまう思考のクセのことで、「ひとつに決められないから、私には強みがない」と結論づけてしまうケースが多いのです。
また、脳には「選択のパラドックス」という現象があり、選択肢が多すぎると決断できなくなってしまいます。だから、なんとなく得意なことが複数あっても「どれが強みか分からない」「決められない」と感じやすいのです。
しかし本来の強みとは、「得意なことの集合体」だったり、「複数の特性が組み合わさってできるユニークさ」です。たとえば「人の話を聴くのが得意」+「細かいところに気がつく」+「行動力がある」という組み合わせが、職場で信頼される“強み”になります。
ひとつのキラキラした才能を探すのではなく、「じわっとある得意なこと」をいくつか見つけて、それを掛け合わせることが、あなただけの魅力になるのです。
「できる or できない」「1つに決めなきゃ」など、極端に考えてしまうクセ。
・聞き上手と言われるけど、そこまで特別と思っていない
・「このくらい普通でしょ?」と思って複数の得意がスルーされてる
・ひとつに絞れなくて「私は強みがない」と思ってしまう
・強みはひとつに絞らなくてもよくて、複数あってOK
・小さな得意なことの“組み合わせ”があなたの魅力になる
・「完璧な強みがない=自分には強みがない」という思い込みに注意