テーマ: 自分の強みが分からない


りょうさん、私…自分の強みがまったく分からなくて…



うんうん、それってすごく多い悩みだよ。実は、強みがないんじゃなくて、“見えにくくなってるだけ”の可能性が高いんだよね。



見えにくくなってる…?



そうそう。脳の仕組みや思考のクセで、“あるのに気づけない”状態になってることがよくあるんだ。そこを一緒にほどいていこう!
① 他人と比べすぎて、“自分だけの良さ”が見えなくなる



SNSとか見てると、すごい人ばかりに感じて…。自分には誇れるような強みなんて全然ない気がして。



その気持ち、めっちゃわかるよ。人ってね、無意識に「他人の強みに自分の価値を当てはめるクセ」があるんだ。



えっ、それって無意識でやってるんですか?



そう。脳は“目立つもの”を優先的に記憶するから、周りのキラキラした才能ばっかり見えて、自分の中の「当たり前で大切な強み」に気づきにくくなっちゃうんだよ。
詳しい科学的な解説・用語
私たちは他人の良い部分ばかりが目につき、自分の中の強みが見えにくくなることがあります。
これは「社会的比較理論」という心理学の考え方によるもので、
人は無意識に“自分と他人を比べて評価する”というクセがあります。
さらに脳の「扁桃体(へんとうたい)」という部分は、不安や劣等感を感じたときに強く反応し、
その瞬間に注意を向けるよう指令を出します。
その結果、自分より優れて見える他人ばかりに意識が向いてしまい、自分の強みは見逃しやすくなるのです。
また、RAS(網様体賦活系)という脳のフィルター機能は、
「自分には強みがない」と思っていると、強みの情報をスルーしてしまいます。
つまり、自分の思い込みが“脳の検索結果”に影響しているということです。
「他人の強みを見て、自分に自信をなくす」のではなく、「自分の見方にクセがある」と気づくことが第一歩。
強みが“ない”のではなく、“見つける視点がズレているだけ”なのです。
だから、強みを見つけるためには「他人と比べるモード」から
「自分に意識を向けるモード」へ切り替える必要があるんです。
人は無意識に「他人と自分を比べて」自分の価値を測ろうとするという心理学の考え方。
・SNSで人の投稿を見るたび「すごいな、私には無理だな」と感じる
・褒められても「それって誰でもできることじゃない?」と流してしまう
・他人と比べてばかりで「自分にしかないもの」が分からない
・自分の強みが「ない」のではなく、「気づけてない」だけの可能性が高い
・他人と比べすぎることで、自分の大切な強みが見えにくくなっている
・脳のRASや思考のクセによって、強みの情報をスルーしていることがある
② “普通のこと”こそが、あなたの強みになってる



でも私、本当にすごいことなんて何もできないんです…。むしろみんなと同じくらいのことしか…。



その「みんなと同じ」って、実は思い込みかもよ?たとえば、何気なくやってることでも、他の人から見たら「すごい!」ってことってあるんだ。



えっ…?でも、自分じゃ普通すぎて気づかなくて…。



そうそう、それがまさに“強み”の落とし穴。自分にとって“当たり前すぎること”は、気づきにくい。でもね、他の人には“できないこと”だったりするんだよ。
詳しい科学的な解説・用語
人は、自分にとって「努力せずにできること」「自然にできること」に対して、それを“特別”とは感じにくい傾向があります。これは「認知のバイアス」の一種で、自分の能力を客観的に評価するのが苦手だからです。
また、脳には「適応化(順応)」という働きがあり、何度も経験したことや慣れている行動は、どんどん“意識の外”に押し出されていきます。つまり、繰り返しできることほど、“意識しなくなる”というメカニズムがあるのです。
たとえば、人と話すときに相手の表情を自然に気にかけたり、期限を守って行動できたり、雰囲気を和ませる言葉をかけられる人は、それを「特別な能力」とは感じていないことが多い。でも、それを苦手にしている人にとっては、「それ、すごいよ!」という価値になる。
つまり、“自然にできること”ほど強みなのに、自分ではその価値に気づきにくい。そして多くの人が「特別なスキル=目立つ才能」と思い込んでしまって、自分の大事な強みをスルーしてしまっているんです。
強みとは、「他人には難しいけど、自分には自然にできること」。その視点で日常を見直すと、“当たり前”が“宝物”に変わるかもしれません。
自分の考え方にクセがあり、物事を正しく判断できなくなる心理のこと。
・友達が悩んでると、自然に聞き役にまわっている
・誰に言われなくても、時間通りに行動するクセがある
・整理整頓が得意だけど「ただのキレイ好き」と思っている
・自分にとって「当たり前」の行動こそ、他人から見たら立派な強み
・繰り返してできることは、脳が「意識しなくなる」ので気づきにくい
・強みとは「努力しなくてもできること」「他人より自然にできること」
③ “ひとつに決めなきゃ”と思いすぎると、見えなくなる



いろいろ得意なこととか、ちょっとできることはあるんですけど…
でも「これが私の強み!」って言えるものがない気がして…



なるほど、それって「ひとつに絞らなきゃダメ」って思い込みがあるかもね。



えっ、強みってひとつじゃないんですか?



ぜんぜんそんなことないよ!強みって、いくつあってもいいし、組み合わせで生まれる強さもあるんだよ〜。むしろ、絞ろうとしすぎると見えなくなっちゃうこともあるからね。
詳しい科学的な解説・用語
多くの人が「強み=唯一無二の目立つ才能」「ひとことで言える明確な能力」と思いがちですが、実はこの“思い込み”が強み探しの視野を狭めています。
心理学では「完璧主義的思考(All or Nothing Thinking)」という言葉があります。これは「0か100か」で物事を見てしまう思考のクセのことで、「ひとつに決められないから、私には強みがない」と結論づけてしまうケースが多いのです。
また、脳には「選択のパラドックス」という現象があり、選択肢が多すぎると決断できなくなってしまいます。だから、なんとなく得意なことが複数あっても「どれが強みか分からない」「決められない」と感じやすいのです。
しかし本来の強みとは、「得意なことの集合体」だったり、「複数の特性が組み合わさってできるユニークさ」です。たとえば「人の話を聴くのが得意」+「細かいところに気がつく」+「行動力がある」という組み合わせが、職場で信頼される“強み”になります。
ひとつのキラキラした才能を探すのではなく、「じわっとある得意なこと」をいくつか見つけて、それを掛け合わせることが、あなただけの魅力になるのです。
「できる or できない」「1つに決めなきゃ」など、極端に考えてしまうクセ。
・聞き上手と言われるけど、そこまで特別と思っていない
・「このくらい普通でしょ?」と思って複数の得意がスルーされてる
・ひとつに絞れなくて「私は強みがない」と思ってしまう
・強みはひとつに絞らなくてもよくて、複数あってOK
・小さな得意なことの“組み合わせ”があなたの魅力になる
・「完璧な強みがない=自分には強みがない」という思い込みに注意





自分の強みが分からないままでも、とりあえず生活できてるし、別に困ってない気もするんです…。



うん、それもすごく自然な感覚だよ。でもね、強みが分からないまま過ごしてると、「自信のなさ」が少しずつ積み重なっていったり、「本当はやりたいこと」に気づけなかったりすることもあるんだ。



あ、たしかに…周りと比べて落ち込むことは多いかもです…。



そうそう。今は平気に思えても、知らず知らずのうちに「自分には何もないかも…」って思い込みが強くなっちゃうこともあるから、今のうちに気づいておくとすごく大事だよ。
① “私なんて…”が口ぐせになる未来



でも、自分の強みが分からないままでも…まぁ、今はそれなりに頑張れてますし…。



そうだよね、今は“困ってる”って感じじゃないのかもしれない。でもね、それが続くと、「私なんて…」っていう言葉が、心の中で増えてくる可能性があるんだ。



え…なんか、そうなったらちょっと怖いですね。



うん。自分を肯定する材料が見つからないと、“自己否定”が少しずつ当たり前になってくるんだよね。小さなことでも「私には無理かも…」って思う癖がついちゃうんだ。
詳しい科学的な解説・用語
人は、ポジティブな評価よりもネガティブな情報の方が強く記憶に残る「ネガティビティ・バイアス」という脳の働きを持っています。そのため、自分の強みが見つからない状態が続くと、「私は何もできない」「私には価値がない」という否定的な感情が脳に刷り込まれていきやすくなるのです。
さらに、強みが分からない状態が続くと、「自己効力感(=自分はできるという感覚)」が育ちにくくなります。これは、行動を起こすための心理的エネルギーのようなもので、自己効力感が低い人は「どうせやっても無理」と感じやすく、挑戦や行動から遠ざかってしまう傾向があります。
強みが分からないままだと、自分に対する「根拠のある自信」を持てないため、たとえ小さな成功があっても、それを「運がよかっただけ」と思ってしまい、自己評価が育たない状態が続いてしまうのです。
こうした状態が長く続くと、「どうせ私なんて…」という思考パターンが定着し、行動する前からあきらめるクセがつきます。これがさらに強みを見つけるチャンスを遠ざける、という悪循環に入ってしまうのです。
人は悪い情報や否定的な感情の方が、記憶に残りやすい脳のクセ。
・SNSで周りがキラキラして見えて、落ち込むことが増える
・「私には何も取り柄がない」ってつい口にしてしまう
・新しいことに挑戦する前に「私には無理」って思ってしまう
・強みが分からないままだと、自分に自信が持てなくなる
・脳はネガティブな感情を覚えやすく、自己否定のクセがつきやすくなる
・自己効力感が育たず、行動や挑戦にブレーキがかかりやすくなる
② チャンスが来ても“私には無理”とスルーしてしまう未来



たしかに…自分に自信ないと、何か新しい話がきても「無理かも」って思っちゃうかもしれません…。



そうそう、それってすごくもったいないことだよね。



はい…。やってみたら意外とできることでも、最初から避けちゃうかもです。



うんうん。本当はAの中に“できる力”がちゃんとあっても、「強みがない=自分には無理」っていうフィルターで見ちゃうと、せっかくのチャンスも逃しやすくなるんだよね。
詳しい科学的な解説・用語
人がチャンスを「自分には無理だ」と判断してしまう背景には、心理学の「学習性無力感」という概念が関係しています。これは、「何をしてもうまくいかない」と感じる経験が積み重なることで、「どうせやっても無理」と自動的に思ってしまう脳の反応です。
自分の強みがわからない状態が続くと、ポジティブな体験よりも「できなかった経験」「評価されなかった記憶」のほうが優先されて残りやすくなります。そうすると、脳が“自分はチャンスに値しない存在”として学習してしまい、前に出る勇気や挑戦心が自然と小さくなっていきます。
また、行動科学の視点では「自己効力感」と「達成動機」のバランスがとても重要です。自己効力感が育たないままだと、どんなに良い話がきても「私なんかがやったら迷惑かも」と思ってしまい、せっかくの可能性を自分で閉じてしまうようになるのです。
これは能力がないからではなく、脳が過去の「できなかった記憶」ばかりを基準にして判断してしまうため。つまり、あなたにできないのではなく、“できると信じる材料”が見えていないだけなのです。
過去に失敗や否定的な経験があると、「どうせまたダメ」と思い込むようになる心のクセ。
・仕事で新しいプロジェクトの話がきたけど「自信がないから」と断ってしまった
・憧れの人に「一緒に何かしよう」と言われても、「私なんて…」と遠慮してしまう
・人前で話す機会がきたけど、「自分には無理」と感じて断る
・強みが分からないと、チャンスがきても「私には無理」と判断しやすくなる
・過去の失敗が脳に残り、「学習性無力感」が形成される
・自信が育たないと、新しい挑戦に対してブレーキがかかるようになる
③ “周りが認めてくれないと不安”な毎日



たしかに…強みが分からないと、自分の価値がよく分からなくて…。



うん、それってすごく苦しい状態だよね。自分の価値を“周りの評価”で測るようになっちゃうと、ちょっとしたことで不安になりやすくなるんだ。



確かに、褒められないと「私はダメなのかな…」って思っちゃいます。



そうなんだよね。自分の中に“これが私の良さ”って思える軸がないと、他人の目や言葉に振り回されやすくなって、心が疲れやすくなるんだ。
詳しい科学的な解説・用語
人間には「承認欲求(他人から認められたいという欲求)」があります。これは自然な感情ですが、自分の強みや価値を自覚していないと、この承認欲求が過剰になり、「他人からの評価=自分の存在価値」となってしまう危険があります。
脳科学の視点では、他人の反応に過敏になると「扁桃体(へんとうたい)」という感情を処理する脳の部位が過剰に働くようになります。扁桃体が活性化しすぎると、不安や緊張、ストレスを感じやすくなり、常に“嫌われてないか”や“ちゃんと見られてるか”に意識が向いてしまいます。
さらに、自己肯定感が下がった状態では「外的評価依存」が強まります。これは、他人からの評価がないと自分を保てなくなる状態で、自分の意見や本音よりも“他人の期待”を優先するクセがつきやすくなるのです。
結果として、自分の感覚や本当の望みが分からなくなり、「なんでこんなにしんどいんだろう…」と感じやすくなります。強みを自覚することは、自分の中に“揺るがない価値軸”を持つことであり、外に振り回されない自分を作る第一歩なんです。
誰かに「あなたは大丈夫」「よく頑張ってる」と認めてもらいたい気持ちのこと。
・SNSの「いいね」の数が少ないと落ち込む
・褒められないと、自分に価値がないように感じる
・周りの期待に応えすぎて、自分が本当はどうしたいか分からなくなる
・強みが分からないと、自分の価値を“他人の目”で測りがちになる
・扁桃体が刺激されやすく、心が不安定になりやすい
・自分の“軸”が育たず、周りに振り回されやすい人生になってしまう
思い込み



りょうさん…私、自分の強みを見つけようといろいろ考えてるのに、なんかうまくいかないんです。



うんうん、それってちゃんと向き合おうとしてる証拠やん。だけどね、もしかしたら“無意識のうちに決めつけてること”が邪魔してるかも。



えっ、無意識に…ですか?



うん。たとえば「私にはそんな強みない」とか、「これくらい誰でもできるし」って思ってることが、実は“強みの芽”だったりするんだよ。
① “特別な才能”がないとダメと思ってない?



私、強みって言えるようなすごいもの、何もないんです…。



うんうん、そう感じちゃうのも無理ないよね。でもさ、Aが当たり前にできてることって、実は他の人にはすごいって思われてるかもしれないよ?



え…例えばどんなことですか?



たとえば、空気を読んで場を和ませたり、人の話を丁寧に聞けたりとか。本人は「普通」だと思ってても、周りから見たら「それってすごい」ってこと、実はたくさんあるんだよ。
詳しい科学的な解説・用語
強みに関して多くの人が持つ誤解の一つが、「強み=目立つ才能」だという思い込みです。でも、ポジティブ心理学の研究では、「強みとは、自分が自然にできてしまう行動・思考・感情のパターン」であると定義されています。
これは「VIA-強み」という理論にもとづいていて、親切さ・忍耐力・ユーモア・感謝・好奇心など、いわゆる“派手ではないけど、価値のある資質”もすべて「強み」として分類されています。
そして、脳は“よく使う回路”を強化するという性質(シナプス可塑性)があるため、日常的に自然にやれている行動には、すでに強みが育っている可能性が高いんです。たとえば「人の気持ちを察する力」「地道に物事を続けられる力」など、見えにくいけどすごく価値のある資質は、自分では気づきにくいものです。
つまり、“特別な才能がない=強みがない”は誤解で、本当は「まだ気づけていない強み」が眠っているだけのことが多いのです。
人の強みや幸せに注目して、どうすれば前向きになれるかを研究する心理学の分野。
思い込み
強みって、誰かにすごいって言われるような“特別な才能”じゃないとダメ
正しい捉え方
日常の中で自然にやれてることこそが、本当の“強み”かもしれない
・友達の相談に自然と乗ってあげられる(共感力)
・人前に出るのは苦手だけど、裏でコツコツ支えるのが得意(継続力)
・困っている人を放っておけない(親切心)
・強みは「特別な才能」だけじゃない
・日常の中の“自然にできてること”にも価値ある強みがある
・脳は繰り返すことで強みを育てていく
② 強みって“1つだけ”に絞らなきゃダメ?



でも、強みって“これだ!”って1つに決めなきゃ意味ない気がしてて…。



けっこう多い勘違いなんだけど、実は強みって「これ1本です!」って決まってる人の方が少ないよ。



えっ、そうなんですか?



うん、むしろ「いくつかの小さな強み」が合わさって“その人らしさ”になることの方が多いんだよ。だから焦って1つに絞らなくて大丈夫◎
詳しい科学的な解説・用語
「強み=たった1つの得意分野」と思い込んでしまう背景には、“選択と集中”という思考クセが影響しています。これは、1つに絞らないと価値がないという思い込みにつながりやすい考え方。でも実際は、人の性格や能力は「多次元的」であり、多面的に活かされることが多いんです。
心理学では「ナラティブ・アプローチ」という考え方があります。これは「自分の人生を物語のように捉えていく方法」で、強みも“1つの主役”ではなく、いくつかのエピソードや経験の中で育まれていくものだとされています。
たとえば「人と話すのが好き(社交性)」と「細かいことに気づける(観察力)」が両方ある人は、接客やサポート職で輝けます。このように、複数の資質が“掛け算”になって、その人だけの強みになるんです。
強みを1つに決めなきゃという焦りは、逆に自分の幅を狭めてしまいます。むしろ、いくつかの得意なことがあるからこそ、それが「柔軟性のある自分」や「他の人にないバランス感覚」に繋がっていくんです。
1つに絞って極めた方が効率的!という考え方。ビジネスではよく使われるけど、強みに対しては必ずしも当てはまらない。
思い込み
強みは1つにハッキリ決めなきゃいけない。曖昧なのはダメ。
正しい捉え方
強みは複数あってOK。それぞれの組み合わせが“あなただけの価値”になる。
・「聞き上手」と「落ち着いている」→友人から相談されやすい人になる
・「人を褒めるのが得意」と「ユーモアがある」→職場で場を和ませる力に
・「集中力がある」と「丁寧な作業ができる」→信頼される仕事ぶりに
・強みは1つに絞らなくてもOK。複数あるのが普通!
・組み合わせや掛け算で“その人らしさ”が生まれる
・過去の経験から“物語”として強みを見つける視点も大切
③ “強みゼロ”と思ってるのは、比べすぎかも?



うーん…でもやっぱり私、強みなんて全然ないです。みんなすごいのに…。



そう思っちゃうのも無理ないよね。でもね、もしかしたら「他の人と比べすぎて、自分の良さが見えなくなってる」だけかもよ。



たしかに、SNSとか見て落ち込むことはあります…。



うんうん。でも強みって、本来“自分の内側”にあるものだから、外側と比べてても見つかりにくいんよ。まずは「自分の中」に目を向けてみよっか。
詳しい科学的な解説・用語
「自分には強みがない」と思ってしまう背景には、“比較による自己否定”が関係しています。人の脳には「社会的比較」をする傾向があり、特にSNSやネットを通じて“他人の輝いて見える部分”と自分を比べやすくなっています。
このとき脳内では「扁桃体」が反応して不安や劣等感が生まれやすくなり、前頭前野の“冷静な判断力”が鈍ってしまいます。つまり、実際には強みがあっても、脳の状態が「ない」と思い込ませてしまっている可能性があるんです。
また、心理学では「選択的注意」といって、人は“見たいものしか見えない”という性質があります。強みに気づこうとする意識がなければ、あってもスルーしてしまうのです。これはRAS(脳幹の一部のフィルター機能)とも深く関係しています。
だから「強みがない」と感じてる人の多くは、本当に“ない”のではなく、「あるけど気づけていない」状態。脳の仕組みと、日々の思考のクセがそう思わせているだけなんです。
他人と自分を比べること。特に自分よりすごい人を見ると、自信を失いやすくなる。
思い込み
自分には人に誇れるような強みなんて何もない
正しい捉え方
「ない」のではなく「気づいていないだけ」。他人との比較が気づきを曇らせてるだけ。
・友達から「話すと安心する」とよく言われるけど、自分では気づいていない
・「誰かのために動くのが好き」なのに、“優しさ”を強みだと認識していない
・「無意識に予定を整えて動いてる」けど、それが“段取り力”だと知らなかった
・「ない」のではなく「気づいていない」可能性が高い
・SNSや周囲との比較は脳に劣等感を生みやすい
・強みは“自分の内側”を見ることで初めて見えてくる
解決策&アクションプラン



ここまで話してもらって、強みって見つけにくいだけで、ちゃんとあるかもって思えてきました。でも自分の強みって分からないんです。何をやっても特別な感じがしなくて…。



うん、それめちゃくちゃ大事な感覚!すごくよくある感覚なんだよ。実は“強み”って、自分では“当たり前”すぎて気づけないことが多いんだ



え、当たり前すぎて気づけない?そんなことってあるんですか?でもどうやって探したらいいのか分からなくて…。



あるある!たとえば“人の話を丁寧に聞ける”とか“整理整頓が得意”とかね。自分には普通でも、他の人から見ると“それすごいね”って言われることって、実は強みなんだ
① “当たり前”の中に強みが隠れてる



強みって、特別なスキルとか成果じゃないとダメなんじゃないですか…?



ううん、むしろ逆だよ!本人が“当たり前にやってること”の中にこそ、他の人にはない強みが眠ってるんだよ。



えっ、当たり前にやってることって…?



例えば、人の話を自然にメモしてたり、ちょっとした気遣いができてたり。自分じゃ意識してない“クセ”が、実は他の人から「すごいね」って言われることだったりするよ。
詳しい科学的な解説・用語
人は「自動化された行動=自分では当たり前だと思ってる行動」に、自覚のない才能や強みが隠れていることが多いです。これは脳の「手続き記憶(無意識に習得されたスキル)」が関係しています。手続き記憶は、繰り返し行うことで脳が無意識に処理できるようになる仕組みで、たとえばタイピングや料理などが該当します。
ここで重要なのは、自分にとって“当たり前”になっている行動は、他人にとっては“すごいこと”かもしれないという点です。心理学では「専門性の呪い(curse of knowledge)」という現象があり、これは知識やスキルを持っている人が「他の人も同じくらい知っている・できるはず」と無意識に思い込んでしまうことを指します。
そのため、自分の中にある強みほど見つけにくく、過小評価されがち。強みを見つけるには、「どんなことを自然にやっているか」「人から褒められたことは?」といった視点から、自分の行動を客観的に振り返る必要があります。
つまり、自分の“当たり前”を見直すことが、強み発見の第一歩になります。
繰り返すうちに無意識でできるようになる脳の記憶の仕組み。自転車の乗り方やタイピングなど。強みもこの中に眠っていることがある。
ワーク
このワークは、あなたが「何気なくやってること」の中に強みのヒントがあると気づくためのものです。おすすめは、夜寝る前などリラックスした時間に1日を振り返って、今日「自然にできたこと」「他人に喜ばれたこと」を思い出して記録してみてください。「これって普通だと思ってたけど、他の人には難しいのかも?」と感じることがあれば、それが“強み”のサインです。毎日少しずつ記録を積み重ねることで、「これが私の得意なことかもしれない」と見えてくるものが増えていきます。目に見える形で強みが整理されると、自分への理解や自己肯定感も自然と高まっていきますよ。
・友達によく「話しやすい」と言われる → “共感力”が強み
・毎回グループのまとめ役になる → “リーダーシップ”が強み
・丁寧で細かい作業を自然にこなせる → “集中力や丁寧さ”が強み
・自分にとって“当たり前”のことほど、実は強みである可能性が高い
・“なんとなく好き”“よく褒められる”を記録するだけでも、共通点が浮かび上がってくる
・書き出すことで客観的に自分の特性を見つけやすくなる
・「難しくないけど他人に喜ばれること」が、あなたの強みのヒント
② “人に頼られる場面“を振り返ると見えてくる



自分に強みなんて、ほんとにあるのか分からないんです…。頼られたことも、あんまり記憶にないですし…



うんうん、そう思っちゃうのも自然だよ。でもね、“誰かに頼られたこと”って、実は自分では忘れちゃってるだけってことも多いんだよ。そこを思い出すだけでも、強みのヒントって見つかることがあるんだ



思い出すだけで…見つかったらいいな



これから一緒に“頼られた経験”を掘り起こしてみよう!
詳しい科学的な解説・用語
人は「自分が人の役に立った瞬間」よりも、「うまくできなかったこと」の記憶のほうを強く残す傾向があります。これは脳の「ネガティビティバイアス(否定性バイアス)」という働きのせいです。ポジティブな記憶よりネガティブな記憶のほうが脳内で強く定着しやすいため、「自分は何もできていない」と感じやすくなります。
一方で、頼られることが多い場面というのは、相手が無意識にあなたの“強み”を見抜いてるサインです。心理学では「他者認知バイアス」といって、本人よりも周囲の人の方が客観的にその人の良さを把握しているという研究があります(たとえば、心理学者ヴァスティン&ロビンスによる実験)。つまり、自分の中で意識していないところこそ、強みが隠れている可能性が高いのです。
だからこそ、「誰かから頼られた記憶」「相談されたこと」「任されたこと」を振り返ることで、忘れていた強みが自然と浮かび上がってきます。これは自己効力感(自分にはできるという感覚)にもつながって、自信を高める第一歩にもなるんですよ。
人はポジティブな出来事よりも、ネガティブな出来事のほうを強く印象づけて記憶する脳の働き。自分の強みに気づきにくい原因の一つ。
ワーク
このワークは、あなたが「何気なくやってること」の中に強みのヒントがあると気づくためのものです。おすすめは、夜寝る前などリラックスした時間に1日を振り返って、今日「自然にできたこと」「他人に喜ばれたこと」を思い出して記録してみてください。「これって普通だと思ってたけど、他の人には難しいのかも?」と感じることがあれば、それが“強み”のサインです。毎日少しずつ記録を積み重ねることで、「これが私の得意なことかもしれない」と見えてくるものが増えていきます。目に見える形で強みが整理されると、自分への理解や自己肯定感も自然と高まっていきますよ。
・アルバイトで新人さんに仕事のやり方をよく聞かれていた
・グループ作業で自然とスケジュール管理を任された
・友達から恋愛相談をされることが多い
・自分では忘れていても、「頼られた経験」は強みの証拠
・ネガティビティバイアスにより、自分の強みに気づきにくい
・他人の視点を借りて、自分の良さを見つけていくのが有効
③「やりたいこと」ではなく「やれてること」から強みを見つける



自分の強みって、やりたいこととか、好きなことから見つけるものだと思ってました…。でも、それだと全然ピンとこなくて。



その気持ち、よく分かるよ。でも実は、”やれてること”に目を向けた方が、意外と強みが見つかったりするんだよ。『やりたい』って願望じゃなくて、日々無意識にできてること。それが、あなたにとって自然にできる=強みかもしれないよ。



やれてること…。たとえば、友達の相談に自然に乗ってるとか?



そうそう!意識してないけど”ついできちゃうこと”って、他の人から見たら『すごい』って感じる部分だったりするんだ。そこから強みを見つけていこう!
詳しい科学的な解説・用語
多くの人は「やりたいこと=強み」と考えがちですが、実際に自分に合った強みを知るには、「すでにやれている行動」に注目するほうが効果的です。これは自己効力感(=自分にはそれができるという実感)と密接に関係しており、心理学者バンデューラによると、「実際に成功体験があること」が最も強く自己効力感を高めるとされています。つまり、「すでに無意識でできていること」は、自信を持ちやすい領域であり、継続的な行動や成果にもつながりやすいのです。
また、脳の報酬系(ドーパミン系)は「達成感」や「できた」という実感によって活性化します。日常の中で無意識にこなせていること、頼られていること、自然にやっていることは、脳が「心地よい」と感じるパターンが出来上がっている証拠。そこに注目することで、自分の「得意・強みの種」が見えてきます。
「やれてること」から自分の強みを見つけることで、自信の土台が築かれ、「これでいいんだ」と思える実感が少しずつ育っていきます。
自分にはできる」という実感のこと。強みを実感できると自己効力感が高まり、行動がしやすくなり、自信もついてくる。
ワーク
このワークは、あなたが「何気なくやってること」の中に強みのヒントがあると気づくためのものです。おすすめは、夜寝る前などリラックスした時間に1日を振り返って、今日「自然にできたこと」「他人に喜ばれたこと」を思い出して記録してみてください。「これって普通だと思ってたけど、他の人には難しいのかも?」と感じることがあれば、それが“強み”のサインです。毎日少しずつ記録を積み重ねることで、「これが私の得意なことかもしれない」と見えてくるものが増えていきます。目に見える形で強みが整理されると、自分への理解や自己肯定感も自然と高まっていきますよ。
・カフェで店員さんに「ありがとう」って自然に言ってる
・友達にLINEでさりげなく「体調どう?」と送ってる
・家族の予定をなんとなく把握して調整してる
・強みは「やりたいこと」ではなく「やれてること」に隠れている
・無意識でできる行動は、他人から見たら立派な才能
・脳の報酬系が活性化する「できた体験」が自己効力感を育てる
・ワークを使って「普段の行動」から自然な強みを発掘するのがコツ
変われる根拠



でも…強みを見つけても、それが本当に役立つのか分からなくて…。



うんうん、そう思っちゃう気持ち、すごく分かるよ。「これで変われるのかな?」って不安だよね。



はい。結局、何をやっても私は変われない気がして…。



大丈夫。実はね、「自分には強みがない」って思ってた人たちが、ちゃんと自分の強みに気づいて人生変えていった例って、たくさんあるんだよ。今日はその“変われる根拠”をお話しするね!
① 人の脳は“いつでも”変われるって知ってる?



強みが見えてきた気もするけど…やっぱり私が変われる気はしないというか…。



うん、その気持ちすごく分かるよ。でもね、「変われるかどうか」じゃなくて「変わる方法を知ってるかどうか」だよ。



方法…?



そう。実は脳って、“何歳でも”変われるようにできてるんだよ。神経のつながりを自分で作っていけるって、ちゃんと証明されてるんだ✨
詳しい科学的な解説・用語
「自分は変われない」と感じてしまうとき、それは“性格や能力が固定されたもの”という思い込みによるものです。でも、脳科学の世界では「可塑性(かそせい)」という考え方があり、これは「脳は何歳でも変化できる性質を持っている」ということを指しています。
たとえば、何か新しいことに挑戦したり、習慣を変えたりしたとき、脳内ではニューロンという神経細胞のつながりが新しく作られたり強化されたりします。これは「シナプスの可塑性」とも呼ばれ、練習や経験を重ねるほど、回路が太く・強くなっていくんです。
また、認知行動療法でも「行動→思考→感情」の順に変えていくことで、自己イメージや習慣、性格まで変化していくことが科学的に証明されています。つまり、「強みが分からない」状態も、適切なステップを踏めば“強みを実感し、自信がついていく自分”に変化できるんです。
変わることに年齢やタイミングは関係ありません。重要なのは「自分は変われる」と信じて、少しずつ行動を積み重ねること。そのたびに、脳はちゃんと応えてくれるようにできています。
脳が変わる力のこと。学んだり挑戦したりすると、脳の回路がどんどん成長するしくみ。
・昔は「運動が苦手」だった人が、少しずつ習慣を変えてマラソンを完走できた
・最初は緊張しやすかった人が、人前で話す機会を積み重ねてプレゼンが得意になった
・SNS投稿が苦手だった人が、毎日少しずつ続けて“発信力が強み”になった
・脳には「可塑性(かそせい)」があり、新しい考え方や習慣は後からでも身につく
・繰り返しの小さな行動が、脳の配線(神経経路)を変えていく
・性格や思考も、“意識的な練習”によって変えることができる
・「変われない」は思い込み。脳の仕組みから見ても“人は変われる”のが前提
② 小さな成功体験が“自信回路”を育てる



強みって分かっても、自信につながるかはちょっと分からなくて…。



うんうん、強みが分かっても「でも私なんかが…」って思っちゃうことあるよね。でもね、自信って“大きな成功”じゃなくて、“小さな成功の積み重ね”で育つよ。



え、小さなことでいいんですか?



そう!むしろ小さな成功の方が、毎日の中にたくさんあって、脳が“できた!”って感じやすいんだよ✨
詳しい科学的な解説・用語
「自信」は、先天的な性格や才能によって決まるものではなく、脳の学習の仕組みによって育てていける感覚です。特に「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」という考え方があり、「私はこれをやり遂げられる」という信念が行動を後押ししてくれます。
この自己効力感は、成功体験を通して強化されていきます。特に、小さくても「できた」という経験は、脳内の前頭前野(やる気・自己制御をつかさどる部分)を活性化させ、ドーパミンが分泌されます。このドーパミンは“快”の感情を生み出す神経伝達物質で、「またやろう」「次もできそう」と思えるエネルギー源になります。
さらに、脳は「達成の記憶」が残りやすく、繰り返すことで「できない」→「できる」に書き換えられていきます。これは“自信回路”が形成されるともいえ、成功の記憶が積み重なることで自己評価そのものが変化していくのです。
だからこそ、小さな「できた」を意識的に集めていくことが、自信を育てる最も現実的で確実なステップなんです。
「自分はできる」と思える力のこと。自信のもとになる。
・「朝ちゃんと起きられた」「自分から挨拶できた」など、些細な達成を記録していく
・日記に「今日のよかったこと」を3つ書いて、ポジティブな実感を強化する
・「今日〇〇の相談に乗れた」など、“誰かに喜ばれたこと”を毎日メモする
・強みは“もともとの才能”ではなく、“繰り返しの経験”で育つ
・自分に合った場面で何度も成功体験を積むことで、強みとして自覚される
・小さな「できた」が自己効力感を高め、強みの確信に変わる
・強みは固定されたものではなく、「育てていける力」でもある
③ “他人との比較”ではなく“昨日の自分”と比べる



SNSとか見てると、みんな才能あるなって思って…自分は強みなんてないかもってまた思っちゃいます。



ん、その気持ちすごく分かるよ。でもね、自信って“他人との比較”じゃなくて、“昨日の自分との比較”で育てるものだよ。何か目標がある場合は、目標に向かって昨日よりこれだけ近づいたと思うと良いよ。



昨日の自分…?



ん、昨日よりちょっとでも前に進めたら、それはもう立派な「成長」だよ。それが“強み”につながっていくんだ✨
詳しい科学的な解説・用語
人はつい、他人と自分を比べてしまいがちですが、実はこの比較には心理的リスクがあります。社会的比較理論によると、人は「自分の価値を他者との比較で測ろうとする傾向」があり、これが過度に働くと、自己肯定感を低下させやすくなります。
さらに、SNSなどの情報は“他人の一番良い瞬間”が多く、自分のリアルと比べてしまうことで「私はダメかも」という錯覚が生まれやすくなります。これを“比較バイアス”と言います。
ここで注目したいのが「自己基準型評価」です。これは“過去の自分と比べてどうか”という視点で、自分の成長を実感するやり方です。心理学の研究では、自己基準で評価をしている人の方が、内発的動機づけ(自分の中から湧くやる気)が高く、幸福度も持続しやすいと示されています。
つまり、「昨日より少しできた」ことに目を向けることが、継続的なやる気や強みの実感につながっていくんです。他人と比べるのではなく、自分の歩幅で進めていること。それが何よりの「変われる証拠」です。
他人と比べて、自分の価値を判断してしまう心のクセ。
・昨日より3分早く起きられた
・今まで迷ってたLINEに自分から返信できた
・1日1つ、自分の良かったところをメモに残しておく
・他人と比べると自己肯定感が下がりやすい
・“昨日の自分”と比べることで、成長に気づきやすくなる
・自己基準の評価は内発的なやる気を高める効果がある
・毎日の小さな前進が“強みの土台”になる
解決した未来



強みがわからないままだと、この先ずっとモヤモヤしたままなんじゃないかって不安です。



うん、不安になるよね。でもね、もし今の悩みがちゃんと整理されて、自分の強みに気づけたら…って想像してみて?



えっと…なんか、少し安心して過ごせるようになるのかな…。



そうそう!“自分にはこんな力がある”って思えるだけで、日常の見え方がすごく変わってくるんだよ。じゃあ一緒に、そんな未来の自分をちょっとだけ覗いてみようか。
① “強みがある自分”で日々の選択に自信が持てる



自分の強みが分かったら、どんなふうに変われるんでしょうか…?



うん、いい質問だね!強みが分かるってね、「自分が何を選ぶと自分らしいか」が見えてくるってことだよ。



なんだか頼もしい感じがしますね…。



そう!強みを知ってる人って、“選択”に迷いが少ないし、自然と自分の道を選べるようになるんだ。小さなことでも「これが私らしい」って思えるからね✨
詳しい科学的な解説・用語
「自分の強みを知る」ことは、意思決定や行動の指針となる「内的自己認識」を高めることにつながります。これは心理学者タシャ・ユーリック博士が提唱した概念で、「自分がどう考え、どう感じ、どう行動する傾向があるか」を客観的に理解している状態です。
内的自己認識が高い人は、外部の評価や他人の期待に流されにくくなり、物事を「自分にとってどうか?」で判断できるようになります。これは自己決定理論にもつながっていて、「自律性」が高まることで、モチベーションや行動の満足度が上がると言われています。
さらに、強みを自覚している人は「自分にとって意味のある選択」ができるようになります。これは脳の前頭前野が活性化しやすく、感情のブレも小さくなり、自己決定に対する後悔も少なくなる傾向があります。結果的に「自分らしい人生」を歩んでいる感覚が強まり、幸福感が高まりやすくなるのです。
つまり、強みを知ることは、単に自信が持てるだけでなく、“日常の選択を自分らしくできる”状態をつくる鍵でもあるんです。
自分の考え方・行動のクセ・感情に気づいている状態。自己理解の深さ。
・就職や転職で、「周りが選ぶ道」ではなく「自分の価値観に合った道」を選べる
・人付き合いで無理に合わせず、「私はこういうタイプ」と自然に伝えられる
・やることが多くても「自分の強みが活きる順番」で優先できるようになる
・自分の強みを意識できると、小さな決断にも自信が持てるようになる
・「私はこれが得意」と分かるだけで、迷いが減って選択がスムーズになる
・日常の中で「自分らしい選択」ができるようになり、自己肯定感も自然に高まる
② “自分には価値がある”と思える毎日になる



強みがあるって思えたら…もっと自分のことを好きになれそうですね。



うん、まさにそう!「自分ってこういうところがあるんだ」って気づけると、それだけで価値があるって感じられるようになるよ。



今まで、自分には何もないって思ってたけど…



実はみんな、ちゃんと「ある」んよ。ただそれに気づけてなかっただけ。毎日少しずつでも強みが見えてくると、「私もこのままでいい」って思える日が自然と増えてくるよ。
詳しい科学的な解説・用語
「自分には価値がある」と感じられることは、心理学でいう自己肯定感の中核になります。これは「存在そのものに価値を感じる力」であり、自分の強みに気づくことはこの土台を支える重要な要素です。
研究によると、強みを日常的に意識すること(ストレングス・アウェアネス)は、自己評価を高め、ストレス耐性や幸福感を上げるとされています。特に「誰かの役に立てた」「自分の良さを活かせた」という実感は、**報酬系(側坐核)**を刺激し、脳内にドーパミンが分泌されます。これが「自分って少し誇らしい」「またやってみたい」といったポジティブな感情を生み出す仕組みです。
また、「できたことノート」などで日々の小さな成果を振り返ることはセルフ・アファメーション(自己肯定の習慣)を育てる行動とされ、習慣的に行うことで自尊心の維持につながります。
つまり、自分の強みに気づき、それを活かせた日々を少しずつ積み重ねることで、「私はここにいていい」と自然と思えるようになっていきます。それが“自分の価値を信じる毎日”のスタートになるんです。
自分の存在や行動に価値があると思える感覚のこと。
・「今日ありがとうって言われた」ことをノートに記録していく
・1週間に1回、「今週の私の良かった行動ベスト3」を書き出す
・自分にしかできなかった対応を思い出す(たとえば、友達の話を最後まで聞いた等)
・強みを知ることで「自分ってダメじゃない」と思えるようになる
・人と比べず、今の自分の良さを認める力が育つ
・自己否定のクセが減って、自分を大切にする気持ちが持てるようになる
③ 人間関係にも“自分らしさ”がにじみ出るようになる



強みが分かると、人付き合いにも変化ってありますか…?



あるよ〜。強みを知ってる人って、「私はこういうタイプなんだ」って自然に伝えられるようになるよ。



あ、なんかそれってちょっと憧れます…!



無理に合わせすぎなくなるし、逆に相手の強みも受け入れやすくなる。結果的に、自分らしさを出しても安心できる関係が築けていくよ。
詳しい科学的な解説・用語
自分の強みを理解し、それを自然体で表現できる人は、**自己一致(self-congruence)**が高い状態と言えます。これは「自分の内面(価値・信念)」と「外側の言動」が一致している状態のこと。自己一致している人は、対人関係でもストレスを感じにくく、自分らしくいることに安心感を持てるとされています。
また、心理学者ロジャーズの来談者中心療法でも、自分を受け入れている人ほど他人との関係も良好になるとされており、「自分の強みを認めること」は他者を受け入れる土台にもなります。
脳の観点では、自己一致の感覚があると前帯状皮質という共感や対人関係をつかさどる部位が活性化します。これによって、他者と関わるときにも「自分らしくていい」と感じながら、相手を尊重した接し方がしやすくなります。
つまり、自分の強みを知ることは「自分らしい人間関係」を築くための土台なんです。無理して頑張る必要のない、ラクな関係を増やしていけるようになるんだよ。
自分の内側の気持ちや考えと、行動や言動がズレていない状態のこと。
・初対面の場面で「私、〇〇が得意なんです」と自然に言えるようになる
・苦手な人に無理して合わせなくなり、「この人とは距離を取ろう」が冷静に判断できる
・「自分に向いている人間関係の形」が分かるので、付き合う人が変わっていく
・自分の強みを理解していると、人との関わりにも余裕が出てくる
・無理に合わせすぎたり、自分を偽らなくても良くなる
・本来の自分で人と関われるようになり、自然体で信頼されやすくなる
くじけないコツ



頑張って行動してみても、思うように成果が出ないと、正直続ける意味があるのかなって思っちゃいます。



そうだよね、すぐに結果が出ないと「やっぱり私には無理かも」って思いやすいよね。でも実は、変化って見えにくいだけで、裏ではしっかり起きてることも多いんだよ。



そうなんですか……でも、失敗した感じがすると、自信がなくなっちゃって。



大丈夫。今回は「成果が出なくても続ける力」をつけるために、科学的に効果のある考え方と工夫を紹介していくね。
① 「記録するだけ」で成長を見える化する



やっぱり、頑張っても変わってる実感がないと不安になります…。



その気持ち、すごくよく分かるよ。だからこそ「記録」ってすごく効果的なんだ。



記録ですか?ノートとかですかね…。



うん、日々の気づきや行動を少し書くだけで、「私、ちょっとずつ変わってるかも」って実感できるよ。強みを見つけるヒントもそこにたくさん隠れてるんだ。
詳しい科学的な解説・用語
行動を継続するためには「自己観察」が大きなカギになります。心理学ではこれを「メタ認知」と呼び、自分の考え方や行動を一歩引いて見つめ直すことで、より客観的に判断しやすくなる力を育てます。特に、日々の行動や感情を記録しておくことで、過去との違いや、少しずつ積み重ねてきた変化に自分で気づけるようになります。
記録によって「変化に気づく力」が高まると、脳の「内側前頭前皮質(PFC)」という自己認識に関わる領域が活性化されます。この領域が活性化されると、モチベーション維持やセルフコントロール力が高まり、くじけにくくなると言われています。さらに、「強み」は突然見つかるものではなく、日々の中の“なんとなくやれていること”や“他の人に褒められたこと”などの記録の中から見えてくることが多いです。
つまり、成果が見えにくいときほど「行動を記録する」ことが、強みを見つける一番の近道になります。“目に見える成果”だけでなく、「自分の行動が意味を持っている」と感じることも重要です。ここでカギになるのが「センス・オブ・プログレス(進歩感)」という心理学的概念です。これは、たとえ小さな進歩でも、自分が前に進んでいるという感覚が得られることで、モチベーションが継続しやすくなることを示しています。
さらに行動科学の研究では、人が行動をやめてしまう原因の一つに「即時報酬がないこと」があります。逆に「見えないけど積み重なっている」と信じられる人は継続力が高まりやすいとわかっています。成果が感じられなくても「これは心の筋トレ」ととらえて、少しずつ行動を“貯金”していく意識が大切なんです。
自分の考えや行動を客観的にとらえる能力。気づきを得やすくなる。
・「今日ちょっと嬉しかったこと」を1日1行メモする
・その日うまくいった会話や行動を、夜寝る前に1つだけ書き出す
・褒められたこと・感謝されたことを「褒め日記」として記録していく
・小さな記録を続けることで、成長や変化を実感しやすくなる
・強みは「記録の中」から気づけることが多い
・客観視できると、落ち込んでも立ち直りやすくなる
② “未来の自分”に応援される



頑張ろうって思っても、すぐ気持ちが沈んじゃうんです…。



うんうん、そんなときって「今の気持ち」で全部を判断しちゃうこと多いよね。



はい…「どうせ無理」とか、「私ってダメだな」って。



実はね、“未来の自分”から見たら、今のあなたってすごく踏ん張ってる途中だったりする。「諦めなかった私」になれたとき、「あの時よく踏ん張ったな」って思えるはずだよ。ちょっと未来から今を見てみよう。
詳しい科学的な解説・用語
人は「今この瞬間」の感情に大きく影響される生き物ですが、時間的視点の切り替えによって、モチベーションを維持しやすくなることが心理学的にわかっています。
これは「未来視点による自己対話(フォアキャスティング)」という方法です。
自分が「このまま努力を続けた未来」を想像することで、脳内の**内側前頭前皮質(mPFC)**が活性化し、「現在の自分と未来の自分」が“同じ存在”としてつながる感覚が強くなります。
このとき、脳は「今の努力は未来につながっている」と感じやすくなり、自己効力感(=自分にもできるという感覚)が高まります。
また、前頭前野がより冷静に状況を整理してくれることで、「目の前の失敗」にとらわれすぎず、「長期的な意味」に意識を向ける力が高まるのです。
さらに、自分を応援するような“優しい内的対話”をすると、脳内ではオキシトシンが分泌され、ストレスがやわらぎ「もう少し頑張ってみようかな」と思える気持ちに切り替わっていきます。
未来の自分を想像して、今の行動を考える方法。
・「半年後の自分からの手紙」を書いて、今の自分を励ます
・朝、鏡の前で「未来の私ならどう声かけるかな?」と考えてみる
・迷ったとき、理想の自分はこうすると考えて動く
・「未来の自分」からのエールを想像することで前に進む力が湧いてくる
・将来の理想像を持つことで、目先の結果だけに振り回されず、継続のモチベーションが保てる
・未来の自分と「心の中で会話」する習慣が自分を信じる力や自己肯定感を育てていく
③ やりたくない日は“最低1分だけ”でもやる



なんか、気分が乗らない日ってどうしてもサボっちゃって…それで「やっぱりダメだ」ってなります…。



その気持ち、めっちゃ分かる。でもね、「1分だけでもやる」って決めておくと、意外と流れに乗れたりするんだ。



えっ、1分だけでも意味あるんですか?



うん、やり始めること自体が脳のスイッチを入れる効果があるから、やる気は後からついてくるって考えていいんだよ。
詳しい科学的な解説・用語
「作業興奮」という心理学・脳科学における現象があります。これは、行動を始めることで脳が刺激され、後からやる気(ドーパミン)が分泌されてくる仕組みのことです。つまり、最初は全然やる気がなかったとしても、少し手を動かしただけで気分が乗ってくることがあるのです。
行動経済学でも「意思決定の初動」において重要なのは“始めるきっかけ”だとされ、1分間でも動くことで「やる自分」へのアイデンティティが強化されていきます。この「小さな達成感」が自己効力感を高め、さらに次の行動へのモチベーションにもつながります。
習慣形成の研究でも、「最初の一歩」を軽くすることで行動継続の成功率が大きく上がると証明されています。だから、「できないからやらない」じゃなくて、「1分だけでもOK」とすることで、習慣の火を絶やさずに済むんです。
脳は「やる気があるから動く」のではなく、「動くからやる気が出る」仕組み。手を動かすことで自然とモチベーションが高まる。
・やる気が出ない日は、自分の強みメモを1行だけ書く
・本を開いて1ページだけ読むと、自然と読み進めたくなることがある
・寝る前に1分だけ「今日よかったこと」を思い出すようにする
・やりたくない日は“1分だけ”でOKと決めると気持ちがラクになる
・始めれば脳が自然とやる気モードに切り替わる
・小さな行動が「できる自分」の感覚を育てていく



ここまで本当におつかれさまでした。
「自分の強みがわからない」って、実はたくさんの人が感じていること。だけどそれって、”自分のことをちゃんと理解したい”って思えている証拠でもあるんだよね。
私たちはつい「人と違うことをしなきゃ」とか、「すごい才能がなきゃダメ」と思いがちだけど、本当の強みって、毎日の中にちゃんと隠れてる。人と比べなくていいし、目立たなくてもいい。あなたにとって自然にできること、当たり前に感じてることが、実は誰かの支えになってたりするんだよ。
小さな「自分らしさ」に目を向けるだけでも、心が少しずつ整ってくる。焦らなくて大丈夫。強みは“つくるもの”じゃなくて“見つけるもの”だから。
そして、もしひとりで迷いそうになったら、いつでもサポートするから連絡してね。あなたの中に、ちゃんと光るものはあるよ。ゆっくり一緒に見つけていこうね。